営業として冬物、夏物の商談を担当する他、展示会やイベントへの出展、お客様の要望を受けて商品の企画も担当。仕事、会社への想いをインタビューしました。
営業として冬物、夏物の商談を担当する他、展示会やイベントへの出展、お客様の要望を受けて商品の企画も担当。仕事、会社への想いをインタビューしました。
ーー営業として幅広い仕事をされていますが、どんな時にやり甲斐を感じますか。
荒尾:お客様から要望をいただき、それを形にして、お客様と一緒に商品を作り上げていくことですね。印象に残っているエピソードがあります。ある夏の8月に、北海道のお客様から「こういう商品を作ってほしい」という冬物の商品の依頼を受けました。糸を選ぶところからスタートして、デザインどうする? カラーは? どんな機能をつける? というやり取りを何度も繰り返していたら12月になってしまったんです。12月はもう冬物も終わりかけのころなので、「今年は諦めようか」という話も出てきました。しかし、お互い4ヶ月の間協力しながら作り上げてきたのでやり切ろうという結論になり、結局納品させていただいたのは12月25日のクリスマスでした。クリスマス商戦も終了ですし、お客様買取の商品でもあったので、売れなかったらどうしよう、という不安はありました。しかし同時に「いけそうな気がする」という根拠のない自信もあったんです。そうしたら1,000個が完売し、翌年にはその年の3倍の受注がきました。先方から「やって良かった。ありがとう」と言っていただけましたし、私自身も「一緒に最後までやりきれて良かった」と本当に嬉しかったです。このお客様とは、末永いお付き合いになっていくだろうなと感じています。
ーー妥協せず納得いくまでやり取りをして作り上げた結果、人気の商品になったのですね。
荒尾:はい、商品開発において一切妥協はしません。納期に間に合わないからこれはもう仕方ないよね、と妥協するのではなく、お客様の要望をしっかり受け止めて形にする姿勢を大事にしています。もちろんどうしてもそのシーズンに間に合わない場合は、「この企画は来年必ず実現させましょう」という形で進めることもありますし、臨機応変に対応しています。
ーー妥協せずに納得いくまでやり切れるのも、それを良しとする社風があるのでしょうね。
荒尾:いろいろなことに挑戦できるのがイチーナの素晴らしいところだと思います。社員が何かをやりたいと考えている時、ストップをかけることなく「やってみなさい」というのがイチーナの方針です。おかげで躊躇なく失敗できるといいますか、失敗を糧に次のステップに進ませてもらうことができます。一度、翌年の売れ行きを見誤り、実際は思ったほど売れなかったことがありましたが、そんな時も失敗を責められることはありませんでした。「なぜ売れなかったのかをまず検証しよう。トレンドの変化が理由なら、トレンドの変化についていけるようになろう」というように、失敗を分析して次の商品開発や売り方をより良くしていく方向へと進ませてくれます。実際に、失敗があったからこそ、今一番の大ヒット商品になっている商品もありますから。景気が良くない中、失敗は成功の近道だからどんどん失敗しよう、といえる会社はそう多くはないと思います。最初から成功を目指すのではなく、失敗を繰り返して成功へと近づいていくという方針を、社員として誇りに思っています。
ーーこれから挑戦したいことや取り組んでみたいことはありますか。
荒尾:「未来へ、創造力を紡ぎ育む」というミッションができましたが、どんどん新しいものを生み出していくクリエイティブなブランドであるために、商品の進化を続け、将来主力になれる商品を作り出したいと思います。そのためには、日々の生活の中でもトレンドを読み取ったり、かすかなヒントを元にお客様に喜んでもらえる商品を作り出すことが必要になります。イチーナにはいろいろな考え方を持つ幅広い年代の方々が働いているので、一人一人の意見を吸収しながら、たくさんの人に支持されるような商品を作り出していきたいと思います。
Interviewer・Writer 平地紘子